ライフイズストレンジを通して感じた事

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ライフイズストレンジ。
このゲームは普段自分がやってる「楽しいゲーム」とは異なる作品だと思った。

 

等身大の自分を映されている感覚。

スパイダーマンMHWなら、自分に対して脅威が迫って来たら、攻撃すれば良い。自分が嫌だなと思う敵がいれば、迷わず倒せばいい。アクションゲームはそういった、自分に対する脅威を倒して行くのが目的のゲームだ。

 

しかしライフイズストレンジは、プレイヤーの選択によって物語を進めていくアドベンチャーゲーム。アクションゲームにあるような攻撃手段は本作にはない。脅威が目の前に立ち塞がったとしても、ゲームから用意された選択を選ぶ以外方法はなかった。


これは些か現実世界の様だと僕は思った。特別、他人を打ち負かす超能力やスーパーパワーを持っている訳でもない平凡な主人公。確かに時間を戻せるという他人にはない能力を持っているけど、これを使ったところで事態が好転するかどうかは、最終的には他人に委ねられる。

 

結局のところ、出来る事と言えば、限られた(自分に出来る範囲の)選択から1つを選ぶだけ。そこには何とも言えない無力さがあり、時間を戻せる以外に何か自分自身に強さが付加されたのではないという、等身大の身の程を知らされた気分になった。


つまり、現実逃避でもあるゲームという娯楽で、「何でリアルと同じような嫌な部分までも追体験しなきゃいけないんだよ」そんな気分になってしまうゲームだったのだ。

 

より他人を理解しようとする気持ち

だからと言ってこのゲームが、ただ現実を投影しただけのゲームだとも思わない。時間を戻せるという能力によって、今までなら尻込みするしかなかった出来事に対して、何かしら変化を生み出せるんだという自信と、そこから生まれる勇気がこのゲームをプレイしていく中で芽生えた。


そして表面だけ見れば刺々しいキャラクター達もみんな内側にはそれぞれ苦悩や考えがあり、一概に嫌な奴と片付けられない奥深さを感じる事が出来た。


選択肢によるルート分岐は、それこそ不可逆的な仕組みだとも思う。選んだ選択に対して「あの選択は間違ってなかったのか?」と後になって自分を、問い詰めてしまう瞬間も出てくる。そこに時間を戻すというシステムを組み込む事で、より物語やキャラクターを能動的に掘り下げていくのは今までにない、新しい体験だった。

 

主人公を通して見えた世界に感じた事

内気で平凡な主人公を通して見える世界は、理不尽さや自分の至らなさを痛感する、心地が良いとは言えない世界だ。しかし、時間を戻す事によって、よりキャラクター達や出来事を深掘りしていく感覚は、アクションゲームのような爽快感とはまた違った、相手をより理解しようとする自分自身の内面的な強さや達成感を感じる事が出来た。

 

ゲームにおける一般的な楽しさや達成感とは、また違ったこの感覚は一重に気持ちいい訳ではないし、嫌な部分も混ざった複雑な気分になる。でもこの感覚は、ゲームの外にいるプレイヤー、僕自身をより強くしてくれた。そんな気がした。