シュタインズ・ゲート エリートをクリアしたから書かせて。

僕自身この作品に関しては、「名前は知ってる」ぐらいのゲームだったんです。

(この記事は本編のネタバレを含んでいます。この作品はネタバレなしの方が絶対楽しめます。)

 

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オリジナル版が出たのは今から9年前でその当時は中学生だったんだけど、「ふ~ん」ぐらいの認識だった。なんならアニメも劇場版も一切、観たことはなかった。

実際、アドベンチャーゲーム自体今までやった事なかったし、腰を据えてしっかり時間をかけてプレイしたのはこのゲームが初めて。

なんというか、「すごい!」とか「感動した!」とかそういう一言で言い表せる作品じゃない、すっごく色んな感情が右往左往したゲームだった。

 

怖かったし、不安だった。

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このゲームは「時間を遡って決められた運命から脱出する」という話なんだけれど、この「時間」という本来不可逆的なものを、あそこまで行ったり来たりするもんだから、常人の僕からしてみればこのゲームが伝えてくるものを、受け止めきれない感覚になってた。

謂わば「無限ループって怖くね?」ってやつ。物語はどこに進んでるのか、どこまで行くのか、どういう終わりを迎えるのか。本来なら期待を膨らませるべきなんだろうけど、あったのは不安と恐怖。

別に幽霊が出るわけじゃない。なんならホラゲーでも決してない。でも怖かった。一難去ってまた一難。「また?また?また?」と何度も希望が見えたと思えばまた落ちる。時間を遡れれば犯した過ちも正せるんだろうけど、その正した結果、また別の間違いが生じてしまったら?もっと言えば、いつどこでやった行いが未来を決定づけてしまったんだ?と星の数ほどあるその因果を前にして、「きっとうまくいく。」なんて到底思えなかった。

 

岡部倫太郎という人間

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2次元でも3次元でもフィクションの世界でも岡部ほど諦めず、前に進む事をやめなかった人間は見た事がない。

途中まではぶっ飛んだ事を言う「嫌いになれない面白いやつ」って感じだったけど、時間を遡り初めてからというもの、その執念は鬼気迫るものだった。

他の作品で、時間をループしているキャラクターは岡部以外にも見た事はあったけど、ありとあらゆる手を尽くし、本当の意味でどんな手を使ってでも運命を変えようともがき、苦しんでいた姿は見ているこっちも辛かった。

タイムリープを繰り返す岡部は知ってても、他の人間は変わる前の過去を知らない。それは想像する以上の孤独だろうし、誰にも理解されない苦しみは本人にしか分からない。そんな中でも何度も何度もラボメンに事情を説明し、失敗しては時間を遡る。

これほどまで、骨がへし折れる戦いをやり遂げた岡部はただただ凄いとしか思えない。

 

ラボメンのみんな

 

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岡部もそうだけど、その周りのラボメンのみんなも好きだ。

紅莉栖は八方塞がりな岡部に対しいつも的確なアドバイスで助けてた。普段の2人は暇さえあればツッコミあってる「でこぼこコンビ」って感じだけど、心の底ではお互い認めてるんだろうなと思った。言葉の節々からも「しっかり者」の印象があった。でも同時に自分の存在が消えるというあまりにも大きすぎる恐怖とも常に戦ってて、最後まで逃げなかった。そんな彼女の強さを感じた時僕は「岡部と同じぐらい彼女は強い人間だ」と思った。

まゆりだって普段からぽよ~んって感じで面白いなぁと思ってた。でも決して頭の中がお花畑なわけじゃなくって、みんなの事を誰よりも理解し、よく見てるんだという事に気が付いた。橋田だって、「ザ・オタク」って感じだけど、あの技術があるからこそタイムリープマシンは完成したし、前に進めた不可欠な存在だと思う。

 

他にもフェイリスやルカ子、鈴羽、萌郁みんな誰ひとり欠けてはこの物語は成り立たなかっただろうし、みんな人間としてめっちゃ奥深い。物語を進める為の歯車じゃなくって、未来ガジェット研究所のメンバー間のコミュニケーションはどれも面白いし、ちゃんと会話してるのが分かる。本当にみんな活き活きとした人間だった。

 

プレイできて良かった。 

最初にも書いた通りこういったアドベンチャーゲームとは無縁だった。

それこそ勧められなければ自分から手を取る事なんてなかったと思う。

ぶっちゃけこんだけキツイ道のりをまた始めからプレイするのは今は抵抗がある。でも、余韻がなくなった頃にまた手に取りりたい。それは間違いない。

 

正直食わず嫌いだったと思う。勧めくれたTwitterのフォロワーの方、ありがとうございました。